書店のイベントで高楼方子さんの朗読会がありました。

私、そんなに「ファンです!」って感じでもなく、
店頭の張り紙を見たとき、十一月の扉?っていう状態だったのですが、
直感で「行きたい」と思い、とりあえず文庫買って予習しました。
物語を書きたいと思う人は絶対読んでほしい話でした。
とにかく描写が細かい。
わくわくするような下宿生活をしながら、
重厚な装丁のノートに、主人公が自分のつくったお話をつづっていくのですが、
その二重な構成が見事にはまってしまいました。

高楼さんはいくつかの章を朗読してくださって、
「特に悪役も出てこない、大きな事件もない、
 でも、ページを読み終わったら次を繰ってしまうようなお話を書こうと思いました」
っておっしゃっていました。

終わったあと、サイン会があって、
「爽子ちゃんみたいに大事にしているノートがあるんですけど、
 そちらにサインしていただけませんか」
と言ったら、快く応じていただけました。
童話関係の講習会の記録とってて、夏の学校にも持っていって、
今は新しい話のメモと師匠の教室のメモになってるノートで。
ものごしやわらかな口調で、
「おはなし、書かれてるんですか?」と聞かれたとき、
ものすごく緊張しました。
「がんばってるんですけど、なかなか形にならなくて」
って言ったら、
「だんだん最後まで書けるようになってきますよ」と。

文庫のあとがきで「物語を書かずには生きていけない方」と評されていて、
確かにそうかも、と思いました。
今年、話がまとまらないので、とりあえずメモだけ。
今年のテーマは2つ。

●サービス精神を持つ
 作品を通して読者をいかに喜ばせるかが重要。
 作品を楽しんで読んでもらうには
    ↓
 物語世界を理解してもらう。
    ↓
 理解してもらうためにわかりやすい文章を書く
    ↓
 わかりやすい文章とは
 ?理屈が単純 ×三段論法
 ?文末のことばに変化をを持たせる。
 ?目に見えるように、けど短く書く。
 ?説明的になるので、接続詞は極力使わない。
 
●自分を見つける
 作品を通して作者の主張が明確に見えることが大事。
 題材、キャラ、物語等「好き!」を
 がんがん読者にぶつけるくらいの気合とパワーが必要。
    ↓
 同時に配慮も忘れずに(押し付けにしないこと)
 
 相手に伝わるまで、自分の「好き」をもう徹底的にほり下げること。
 1つの作品で、言いたいことは1つで十分。
 それに対するアプローチを多角的に。書き方はたくさんあるので。

実作は作品ないと説明しづらいのでパスで。
でも、今年もすごかったです。
「ここまではOK。特にこの3行は表現が細やかですばらしい。
でも、ここからは全然ダメ。なぜなら…」
みたいのがすぱっと、さくっと。

今年は先生何度も「自分の『好き』を追求すること」って言ってました。
石崎先生の話:
作品を書くときは二人の自分を持つこと。
?外から物語を眺めている自分(物語の神様)
?主人公の目で物事を見る自分

●おもいでのにわ
?の方が強い。
最初の描写は抜群にうまく、具体的で音もある。
「5月の風が…」の三行は入れ方がとてもうまい
 →心理描写からぱっと目を外に向けるタイミングは絶妙。
        ↓しかし
読者が主人公の心情に寄り添えたかというと疑問が。

本当にそのシチュエーションにおいて最適な表現かを考える。
最適な表現を見つけるためには、主人公の掘り下げが必要。
・お父さんの人物像
・友達、えりちゃんの人物像
・主人公のお父さんに対する感情
等、書けない部分も細かくイメージする。

●みほちゃんと歯医者
?の方が強い
主人公の男の子が歯医者に行くと矯正治療で来ているみほちゃんと会う。
その際の会話がリアル。

●春 見つけた
?の方が強い
舞台は来年廃校になる山の小学校。
「春を見つける」という宿題を出すようこ先生。
ラストが主人公の行動で終わっているため、
廃校におけるようこ先生の気持ちが消化不良なまま終わってしまっている。

読者の中に形作られた疑問や予想を
どのように解決するかが、決め手。
普遍的な解決策ではなく、
作者なりの解決方法が見たい。

・・・・・・・・・・・・
一つの表現を思いついてそれを書くのではなく、
いくつもの表現を考え、その中でもっともふさわしいものを選ぶ姿勢が大事。
こんな展開もありだよな、と考える余裕。

忘れてはならないのは、
登場人物は人形ではなく、物語内を生きている生身の人間であるということ。
…に行ってきました。
「くまの子ウーフ」など数多くの著書をお持ちの作家さんです。
昨日の腹痛なんざ何のその。
近所にある某W大へ、友達ともぐりこんできました。
学生主催の講演会で、
でもきちんと大教室とってあって、すごいなーと思った。

神沢先生は、品の良いおばあちゃんて感じで、
(私的感想なので、失礼にあたったらほんとごめんなさい)
でも、いきいきと話される姿が印象的でした。
小さいころ、樺太で過ごされた日々を主に語ってくださったんだけど、
緑の山に燃えるように咲くヤナギランとか、
雪を掘って見つけた福寿草のまぶしい金色とか、
まるで目に浮かぶようにお話されるので、一時間半あっというまに過ぎました。

たぶん、先生は生まれ育った環境が、
そのままそっくり創作する際の蓄えになってるんだと思う。
誰にも出せない個性。うらやましい。

あと、どんなことを考えて物語を書くんですか?という質問には、
「わたし、子どもを見るととっても愛しい気持ちになるの。
 人って誰しも、大人になると子ども時代にはなかったつらさを抱えて
 生きていかなきゃいけないじゃない。
 でも、子どもはまだその先に楽しいこと、つらいこと、
 どんな運命が待ち受けているかも知らず、
 きらきら輝いた目をして、笑ったり泣いたりしているでしょ。
 そんな子どもたちを見ると、ああ、愛しいなぁって思うの。
 そんなことを考えながら書くと、どうしても愛にあふれた感じの作品になるのよね」
というようなことをおっしゃってました。
(完全に復元はできなかったけど、こんな感じ)

外は雨ふってて、すんごい寒かったけど、
なんだかほこほこした講演会でした。
本持ってなかったから、ノートにサインしてもらって握手してもろた。
ありがとうございます。
本当にうれしかったです。
小説講座の内容。
新しいことを聞いたというより、
どこかで聞いたようなことを、わかりやすく説明してもらった感じです。

●したよみさんが何をチェックするか。
・テーマ
・ストーリー→「いつ、だれが、どこで、どうした」
        これに「なぜ」がちりばめられると物語が活きてくる。
       「どうしてこの人はこんな行動をしたか」
       「何で、こんな服を着ているのか」とか
・文章→ 文章の意味が通じるか、「てにをは」が適切か。
      説明が重複していないか、使い古された表現はないか。

●小説家はサービス業であることを忘れないこと。
・読者に何をあげたいか、よく考える。
・人に読ませることを意識し、「ああ、こういうのもあったか!」
 という新鮮味を持たせること。
・作品にわくわくさせる要素があるか。
・キャラに魅力はあるか。

●文章・原稿について
・極端な話、副詞・形容詞・接続詞はいらないと思っていい。
 →接続詞・副詞は基本的にひらがな。(こだわりがなければ)
・文章はリズミカルに。
・原稿の視覚的な美しさを大切にすること。
 字間は狭く、行間は広く。

●作品内容について
・200枚書いて、150枚にするつもりで書くこと。
 書き出しとラストは不要だと感じる応募作品が多い。
・「たとえば」の世界(空想世界)から帰ってこない話はダメ。
・大げさな言葉、表現はやめる。
・「悲しい」「くやしい」「むなしい」は説明だから、
 言葉をそのまま使わないこと。
 出来事を書き、そこから読者に読み取らせる。
・登場人物のバックボーンは一章にまとめるか、徐々に出すかの手があるが、
 どちらを取るにしても、退屈させないことが最優先。
・その場面に必要な人物情報、エピソードしか入れない

●作品世界が「目に浮かぶか」を常に意識する
・読者がそこに入り込めなければだめ。
・自分の文章から絵が浮かび上がってくるか。
 においは? 音は?

●物語の「細部」と「無駄」の違い。
 細部→物語の柱には関係ないが、映像を作り出すために必要。
     これがないと目に浮かばないというもの。
     桃太郎の服とか。
 無駄→同じ説明の重複。
     一人のシーンは、あんまりいらないことが多い。
     あと、主人公の寝ている部屋の天井のしみがどうとか、
     カーテンが何もようとかも。
     (物語の本筋で使うなら別)

●子どもをかくとき
・子どもの視点で書く、ということを強く意識する。
 たとえば、子どもは目線が大人のおなかのとこだから、
 そこから見あげると、多くのものに圧迫感・威圧感を感じる。
・どういうふうに物を見ているか、肉体の感覚から発想する。
・男の子は中一くらい、女の子は小五くらいまで、
 「よっぱらいだ」という認識を頭のかたすみにおいておく。
 突然叫んだり、ふざけたり、わがままを言ったり。
 大人の感覚で書くと、やたらと聞き分けのいい子ができあがる。
・自分の子どものころを、よく思い出す。
・子どもは「世界はわたしである」という全能感を持っていて、
 社会と関わる中で、「そうでない」ことを知る。
 その悲しみや悔しさが、大人への反発になる。

こんな感じ。

よっぱらい発言は、おもしろいと思った。
あと、やっぱり「映像化」ということは強調されてた。
今、ちょっと思い出したけれど、
物語を書くとき、カメラワークを意識しろって言ってたの誰だっけ?
映像化は童話学校のときにも何度か聞いたなあ。

細かいことも大ざっぱなことも言ってたけど、
結局
「書くときは、ごちゃごちゃ考えずにとにかく書く!」で、
直すときにじっくり考えなさいって言ってました。
ほかの方が詳細なレポを書いてくださると思うので、
わたしは先生が箇条書きにしたとこだけ。

☆おはなしづくりの心構え
 1.豊かな創造力は豊かな想像力から生まれる
 2.プロットを組み立てるには、論理的な思考が必要
 3.上手にうそをつけるようにすること

☆どこからネタを発掘するか
 1.「もしも」ということを常に頭の中で考える
   その際、いかに人と違う方向に発展させるかが大事。
   たとえば、お金を拾う→交番に届ける、は普通すぎ。
 2.魅力的な登場人物を考えること
 3.興味あるネタや情報をたくさん持つこと

☆話のパターン
 1.主人公移動型…水戸黄門とか
 2.お客様来訪型…「てぶくろ」「七ひきのこやぎ」
 3.事件発生型
 4.事業達成型
 5.日常スケッチ型

☆書いた話がなぜおもしろくないのか
 1.プロットの組み立てが悪い
 2.推敲不足。→三回は書き直すこと
 3.独りよがりな作品である
   読者が読みたい方ではなく、作者が書きたいことばかり書いてる
 4.思いや主張が先ばしっている
 5.サービス過剰すぎてしらけている
 6.セリフでストーリーを進めている。→話がうわついた印象に。
 7.どこかで読んだような話になっている
 8.全体の雰囲気がこわれている。内容とトーンが違う

あとは、1日に3枚とか枚数を決めて書くくせをつけること、とか
いったん書き始めたらぜったい終わりまで書くこと、
登場人物は名前、外見、性格、くせ、しぐさ、口癖等を事細かに設定すること、
大人と子どもが共通して読める言葉を探すこと
 →「遠くからおじさんが来る」という文章だと、何メートルくらい向こうか、
   おじさんて何才くらいかというところに差が出てきてしまう。
などのお話をうかがいました。
●一作目はまぐれで出ても、二作目は実力がないと出ない。

●(安房直子さんのエッセイを紹介されて)
 一行目に力を入れること。
 読者を物語世界に引き込むことのできる最上の言葉を探すこと

●物語はおもしろく、かつ感動するものでなければならない。

●映像として浮かび上がったものを文章にしていく。

●短く書くには?
 →まずは登場人物の人数を減らす

●漢字、熟語の多用はしないこと。

●会話に頼ると、話が軽くなってしまう。

●一遍の話を書くまでに材料をすべて集めること。
 短編の場合、ラストが決まらないまま書くととりとめなくなってしまう。
どうまとめたらいいのかわからないので、
とりあえず自分用に書いておきます。

I崎先生の話↓

●最善の原稿ができるまで、どれだけ粘れるか
 →〆切り直前に来たものの方が質が高い傾向がある。

●長編を書く場合の一つの手段として、シーンから書く。
 →その前後をうめる形で長くしていく。
 こんなシーンがあったらいいなと思うところから書く手も。

●出版できるものを一つ書いたら、あと十作書ける余力を。

●台詞等の細部にこだわること。そこにオリジナリティが出る。

●子ども向け物語の基本は子供の作文。
 小学生の作文のように素直に。読者に映像が思い浮かぶように。
  ↓
 「伝わらない」のは文章が下手なのではなく、考え方が足りないから。
 読者には八割しか伝わらないと思って書くこと。

●比喩の使い方。
 ホワイトハウスの前に戦争で亡くなった人数分の靴を置く。
 (靴が反戦の意を持つ)
 「怒りました」よりも「こぶしをふるわせました」の方が背景が見える。

●ストーリーとしてのつじつまを合わせることに力を入れると、
 内容がおろそかになる。

●書いていて自分がおどろかない作品、発見のない作品は読者もおどろかない。

●頭の中で映像が流れるくらいイメージすること。「脳内映画」

●季節感は大事。子供の場合、行事につながる。

●一つの作品の中で、キャラクターの性格は一つのみ。
 明るいけど、ときどき元気をなくす、はダメ。
 元気をなくすときは、それなりの事件が起こったとき。

●キャラクターの行動に一貫性があること。
 キャラがたつ、とはイメージしやすい個性があること。

●ストーリーの最初はとっても大事。
 本で言えば、最初の2ページまでで「おもしろい!」と思わせること。
レポートなので、長いです。覚悟してください。

今日は待ちに待った講習会。
あちさんからお誘いをもらって、うれしいことに東京駅待ち合わせ。
銀の鈴に着いたら、冊子をかかえたまあちゃん発見。
さっそく挨拶したら、すぐあちさんも来た。
三人でしゃべってたら、ちささんが来て。
11時半すぎに無事さとさんも到着。
東京駅でごはん食べちゃおうってことになって、そのへんの喫茶店でごはん。
お互い初めて会った人同士とは思えない話のはずみようで、うれしかった。

山の手線で渋谷へ行ったら、
思ったよりも時間がかかって、
東京の時点では「渋谷でお茶して待ってよか」と思ったんだけど、
時間はちょうどよい感じになってしまった。
場所はわかりやすかった。
地下に降りたらラウンジしかなくて、「あれ?」と思ったら
そこが会場だったらしい。
もっと机がばーっと並んでて、講演会!って会場をイメージしてたので、
丸テーブルの配置された会場にちょっとびっくり。
ずいぶんラフな講演会だなーと思った。

1時半をちょいすぎたころに、まずは授賞式が始まった。
大賞の人と優秀賞の二人が先生から賞状を授与された。
一番前の席に陣取った私は、
まあちゃんが賞状を受け取る瞬間を激写。
どうしよ、わたし、カメラへたっぴなんだけど。
うまく撮れているといいなあ。
受賞者が感想を一言ずつ述べて、いよいよ講演会へ。

二人の先生の講演会の内容は、
別にまとめてのっけます。
しいこさんとか、みわこさんとか、ふうこさんとか、
知っている方の名前がばんばん出てきて「おお!」と思った。
あと、今週の木曜に安房直子さんに関する論文を読んだばっかだったので、
安房さんの名前に微妙に反応したり。

休憩時間にK暮先生とI崎先生にご挨拶に行った。
お二人には、ほんとに会いたい!と思っていたので、
みんなで一列に並んで名刺を渡した。
K暮先生には握手までしてもらっちゃった。
今日は手を洗わないぞ!と思ったり(でも洗ったけど)

講演会も質疑応答の時間も超充実してて、
予定の時間を過ぎてた。
みんなで記念撮影をして、それから時間のある人は懇親会へ。
と誘われた。
わたしたちは当然のように全員残り、
待ち時間の間に、わたしは昨日作ってきたクッキーを渡した。
甘かったら&お口に合わなかったらほんとごめんね…。
ちささんからもおみやげもらった。
アジアンノットのストラップとお菓子。
すごいうれしかった。どうもありがとう!!

懇親会はラケルだった。
実はわたし、昼間もオムライスだったんだけど
きっちりちゃっかりオムレツ食べた。
K暮先生と同じテーブルになり、(しかもあちさんは先生と向かい合わせ)
なんだかどきどきしながらごはんを食べた。
K暮先生は風邪をひいているらしく、早めにお帰りになり、
7時を過ぎたころに、ちささん、あちさん、まあちゃん、さとさんも
帰られることに。
残ったのは8人で、I崎先生を囲みつつ、
話を書くときの取材はどーするかとか、
今、出版社では新しい作家を求めているんだとか、そういう話を。
わたし、I崎先生の目の前だったので、
それもどきどきしました。

8時を過ぎたころにお開きになり、
興奮さめやらぬまま帰りました。
わたしが家に着いたのは10時ごろ。
みんな無事に家に着いたかなあ。

初めて会ったみんなの感想。

まあちゃんは、肌がきれーで話がおもしろかった。
初めて会う気が全然しなかった。
あちさんはいつもにこにこしていて、みんなをひっぱってくれ、
そばにいると和む人だった。
ちささんはお姉さん系な美人で、会話のキレがいい人だった。
話しやすいなあと思った。
さとさんは本当にかわいらしい方で、お人柄がうかがえるような
おっとりした声の持ち主だった。

K暮先生は、もう会えただけで感激です。
握手してくださったことは一生忘れません。
I崎先生は、わたしが「ラストの決め方が難しくて…」
「人生経験がないと物語って書けないのかな」
なんてゆー疑問をぶつけても、すごく的確に答えをくださって、
さすがは編集から物書きになった方だなと思った。
今日一日でファンになっちゃいました。

わたしは、あちさんいわく
「思ってたよりもおとなしい感じ」だそうです。いい意味で…かな。
確かにそうかも。
掲示板や日記だと、えらいしゃべる人に見えそうですが、
これを書くまでにすんごい時間かかってます。
基本的にしゃべるの遅いので。

こんな私につきあってくださったみなさま、
本当にありがとうございました。
すっっごいうれしかったです。夢みたいでした。
みんなや先生にまた早く会えるよう、
がんばって物語書きます。

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